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ぼぼぼぼっちゃん3
【小さなローソク】
(2002年頃作)
今日は、ドラキュラの誕生日。
怪物屋敷でお祝い会をひらきました。
プレゼントも沢山届きましたよ!
さて、怪物くんからドラキュラに、どんなプレゼントがある
のかな!?
オオカミ男からは、ケーキのプレゼントのようです・・・。
「さあ、お待ちかねのケーキでガンス。」
オオカミ男がお手製のケーキを持って、リビングに
入ってきました。
リビングではドラキュラを祝う為に、みんなが集まっています。
わーーい!!
待ちかねた怪物くん達は、主役のドラキュラより盛り上がります。

「ロウソクを灯しましょう!」
怪子の提案に勿論、みんなは大賛成!!
ところが、オオカミ男はうっかり(?)ローソクの
用意を忘れたと言います。
みんなはガッカリ・・・。
お誕生日のお祝いには、ローソクが欠かせないのに・・・。
すると
思い掛けなく、怪物くんが申し出ます。
「ローソクなら、オレが持っているゾ。」
意外な言葉でしたが、みんなは期待します。
すっくと立ち上がる怪物くん。
「ちょっと待っていろ。すぐに持ってくるから・・・!!」

どうやら自室へ向かったようです・・・。
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「お待たせ。」
自室から戻った王子。
手には小箱を持っています。
フランケンが言います。
「フンガーフンガー、フガフンガー。」

照れて怪物王子は答えます。
「ああ、そうさ。」

怪子は小箱を開け中を覗いて言います。
「かわいい!!
色んな色が沢山入っているわ!!」
小箱の中は、色んな色の小さなローソクが入っていました。
「怪物くんのコレクション?」
「少女趣味だネ。」
ヒロシとデモキン王子にからかわれましたが、
王子は反論をせずに、ケーキにローソクを飾っていきました。

「これは魔法のローソクだゾ。
オレからのプレゼントだ。」

「魔法!?」
えーーっ!?
ヒロシ達は驚きました。
「なあに!?魔法って!?」
「まさか。本当に?」

さあ、どうでしょう?
魔法って、どんな魔法なんでしょうね!?
この小さなローソクに秘密がありそうですよ。
ローソクの秘密を・・・見てみましょう!
王妃の部屋に、怪物王子が入って来た。
王子の、リボンのレースが揺れていた。
后は腰掛けたままで、膝の猫を侍女にまかせて王子を
寄せると、なでる様な仕草でその髪に触れた。
侍女は礼をすると部屋を退て扉を閉めた。
「まあ。 どうしたの?」
后が微笑みながら聞いてみたが、王子は黙ったまま
口を結んでいた。
自室の后を怪物王子が自ら訪れる事は、多くは
なかった。
后は、王子の髪をなで続けていた。
幼い姿の王子を思い出して愛しくなり、何度も髪を
撫でていた。
后は、もう一度同じ言葉で聞いたが、王子は黙ったまま
でいたので・・・
「不安になったのでしょう?」
思いやる言葉にかえて、優しく話すと
王子はやっと話し始めた。
「お父様が許して下さったのです。」
「ええ。その通りです。」
后は気持ちを見抜いているように、もう一度微笑んだ。
王子の憧れの人間の世界は、14歳の誕生日を迎えて
ついに旅立つ事を許された。
怪物大王は怪物三人組に、王子の従者として人間の世界で
生活する事を命令していた。
「あなたの夢だったのですよ、 いってらしゃい。
きっと、楽しい事よ。」
「そう思います。でも・・・。」
王子から不安が伝わったので、后は思わず
そうね・・・と漏らした。
「そうね、帰っていらっしゃい・・・。」
新しい事を始める時には、期待と不安がくるくると回るもの。
「あなたのお母様は何処へも行きませんよ。
あなたが新しい世界を見ている間、ここで帰りを待って
います。」
后は立つと、棚から宝石の飾りの付いた小箱を出し、
王子に見せた。
「これをあなたにあげましょう。」
王子は顔を上げながら
「何?ですか」
「魔法のローソクよ。」
そういって笑った后を見て、王子はやっと緊張が緩んだ。
「お母様が魔法を!?」
意外に思い、顔を覗いて見た。
「ええ。」
優しい后は王子を見詰めてコクリと頷いた。
「ご覧なさいな。」
美しい手で開けられた箱の中には、小さなローソクが
並んでいて、それぞれに色が違っていた。
「これはね、夜休む前に灯すの。
そして・・・お母様の事を思い浮かべながら横になって
ご覧なさい。」
王子は母を見ていた。
「灯りが消えてしまわない内に眠るのよ。
そうすればきっと、夢の中にお母様が現れて
あなたとお話が出来るの。」
后はフタを閉じてそっと差し出したので、王子は
両手で受け取った。
「どうもありがとう!お母様!!」
后は微笑んだ。
王子が后の部屋から退(で)ると、怪物三人組は扉から少し
離れた所で待っていた。
「甘えん坊ぼっちゃんザマス。」
ドラキュラがからかうと王子は照れ隠しに、キュっと握った拳を
彼の肩に当てた。
「それで、お后様(ママちゃま)は何と?」
「いい物をもらったゾ!!魔法のローソクだ!!」
小箱を見せた。
「これがあれば、オレはどんな所へも行けるゾ!!」
オオカミ男は感心して・・・
「ぼっちゃん、いい物をもらったでガンスなぁ!!」
「ママちゃまは賢いお后(お方)ザマス。」
三人組は、密かに頷き合った。
怪物王子は前を向くと、廊下を歩き出した。
(明日は人間の世界だ!!)
心で強く想った。
その後に怪物三人組が続いた。
元気に歩き出す王子の、新しい靴のかかとも元気に音を立て、
天井の高い廊下に響いた・・・!!

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「それで、お后様(ママちゃま)は何と?」
「いい物をもらったゾ!!魔法のローソクだ!!」
小箱を見せた。

「これがあれば、オレはどんな所へも行けるゾ!!」
オオカミ男は感心して・・・
「ぼっちゃん、いい物をもらったでガンスなぁ!!」

「ママちゃまは賢いお后(お方)ザマス。」
三人組は、密かに頷き合った。

怪物王子は前を向くと、廊下を歩き出した。
(明日は人間の世界だ!!)
心で強く想った。

お后と王子。
「お母様、人間界へ行ってきます。」
怪物王子が、いよいよ人間の世界へ旅立つ日。
后は寂しさを隠し、王子を見送ります。
さて・・・
怪物王子と怪物三人組が人間の世界へ来て、
今日で3夜目を迎えた。
怪物王子は今朝、ヒロシのアルバイトを手伝って疲れていた。
アルバイトに興味がわいて、だだ邪魔をした様な
ものだが・・・。
結局、王子の失敗でヒロシまでひどく叱られてしまった。
その事で王子は珍しく、屋敷の中で塞ぎ込んでいた。
「おはようザマス!ぼっちゃん!」
陽が沈む頃、ドラキュラが起きてリビングに入って来た。
「・・・おはよう。」
全く元気の無い王子。
ドラキュラは言葉を尽くして励ました・・・。
「失敗は誰にでもあるザマス。
それに、そんなに急いでこっちの生活に慣れようとしなくても
いいザマス。
これからずっとこっちで暮らすのザマスから。」
「・・・そうだな。
明日もう一度、ヒロシに謝るよ。」
「それでこそぼっちゃん!!」
おだてもする。
王子は自室で考えた。
怪物ランドにいた時には、あれ程人間の世界に
憧れた・・・。
今その直中で暮らしている。
親友も出来た。
そしてその親友に・・・。
「怒っているかなぁ・・・?」
ヒロシの事を考えて、時間だけが過ぎて行き、
就寝時間が迫っていた。
ふと立ち上がり、小箱を手に取った。
お后から貰ったあの小箱。
フタを開けた。
相変わらず、美しいローソクが並んでいる・・・。
王子はマッチを擦った。
マッチの先は小さく、しかしメラメラと赤く燃えた。
ひとつのローソクに火が近付けられた。
だが、マッチの火は、吹いて消された。
そして、手元は暗く戻った。
ローソクに火が灯される事はなかった。
小箱のフタは閉じられた。
(オレは頑張るぞ!!)
覚悟を決めた王子にとって、魔法のローソクは必要では
なくなった。
しっかりと閉じられた小箱は、元の場所へそっと
戻された。

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ドラキュラのバースデーケーキに、大切なローソクを飾った
王子。
「やっぱり、オレには魔法は必要ないよ。」

その言葉を聞いてドラキュラは、感極まって頷くのが
精一杯だった。

小箱のローソクを全てケーキに飾って、王子は・・・
「年の数には足らないけど。
ドラキュラ、誕生日おめでとう。」
ヒロシ、怪子、デモキンも見守る。
王子より心からのプレゼント・・・。
ハッピーバースデー ドラキュラ・・・♪
歌を歌って、小さなローソクに火が灯された。
おめでとう ドラキュラ・・・♪
ふうと、ローソクの火は吹かれ、全て消された。
ゆらゆらと白い煙がのぼり、それが匂った・・・。
ぼぼぼぼっちゃん3 【小さなローソク】
おわり